社労士試験は、合格ラインが毎年変わる“つかみどころのない”テスト

 社会保険労務士試験における出題の難易度は、概ね「基礎~応用」レベルに終始しており、ごく一部の奇問難問を差し引けば他国家資格よりも解きやすい問題が多いといった印象を受けます。
もちろん、ごく少数のいじわる問題については「必ずしも解答できなければ合否に影響する」ということではなく、あくまで基礎レベルで確実に得点を重ねていければ、無理なく合格が目指せるというのも、社会保険労務士試験の特徴。にもかかわらず、なぜ社会保険労務士試験は一般的に「合格しにくい」「難しい」と言われているのでしょうか?

 これは実際に受験をしてみて感じたことですが、社会保険労務士試験の難しさは「毎年合格ラインが一定ではない」という点にあると思います。

つまり、「自分が合格ラインさえクリアできればOK」というものではなく、必ず「周囲との兼ね合い」で合否が左右される点に、様々な難しさがあるということです。

例えば、試験時間中、うっかり基礎レベルの知識が頭から抜けていたとしましょう。
こんな状況になっても、仮に合格ラインが一定であれば「仕方ない、ココは落としてもアレは解けたから何とかいけるだろう」と思いながら、先に進むことが出来ると思います。

ですが、合格ラインが見えないとなれば、基礎レベルを落とすことで心中穏やかではいられなくなるでしょう。
「あ~、今年はあまり難しくないから合格ライン高そう・・・」「こんなの、皆解けているよね」・・・等々、試験中に過度な心配が頭を巡り、結果的に肝心な試験に集中できないといったケースは多々あるのではないでしょうか。

試験自体が自分との戦いではなく、ライバルとの戦いになってしまうわけですから、精神的にも非常に厳しいものがあると思います。
こうした心理的影響が、試験の出来不出来を大きく左右するという点にこそ、社会保険労務士試験の難しさがあるのではないかと感じます。